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歯周病治療のために
歯周病には、歯肉の中の浅い部分に歯石ができる歯肉炎と深い部分に歯石ができる歯周炎とがあります。いわゆる歯槽膿漏とよばれるものは、歯周炎の終末であり、骨が溶けて抜歯しなければ痛くて噛めないような状態となったものです。
この歯周病の完全な治療を行ったうえで、その病状進行を止めなければ、どのような良い材料を使った治療を行ったとしても、「快適に噛む生活」を長く維持することはできないのです。
歯周炎の治療は、歯周ポケット検査を行い、すべての歯のポケットの深さ、ポケット内歯石の有無、出血、歯の動揺度をチェックすることからはじまります。また、侵襲性歯周炎が疑われる場合には、細菌検査も行います。侵襲性歯周炎は急速な歯槽骨の破壊がすすむ病気で、歯石除去のみでは改善されず、抗生物質の全身投与が必要となります。
予防プログラム
このような検査の後、予防プログラムを組みます。以下のようなステップで行われる「予防プログラム」こそが、歯周病治療にもっとも大切なことです。
ステップ1(炎症の除去とバイオフイルムの除去)
衛生士が患者様のお口のプラークを染め出し、プラークコントロールレコードを読み取り、みがけていない部分の指導をさせていただきます。同時に、歯間ブラシやフロスの指導も行います。
指導後には歯の表面についた歯ブラシでは落ちないバイオフイルムを毎回クリーニングで落とし、仕上げにポケット内洗浄とそれそれ個別に用意したシリンジを使って、ポケット内抗菌剤投与を行います。3回~4回でプラークをコントロールすることを目指します。
ここで、歯の周り6点のポケットを検査する精密検査を行います。
ステップ2(縁下歯石の除去)
ステップ1の治療が終了すると、歯肉が引き締まり、歯周ポケットの深いところの歯石(縁下歯石)が見え始めます。
お口の中を6ブロックに分け、麻酔をうち、根面上にあるすべての歯石をハンドスケーラーおよび超音波スケーラーを利用して、取り除いていきます。これは、歯周病の世界的権威、イエテボリ大学教授、ドクター・リンデが使用している優れたツールです。
6回かけて完全なる除石を行ったあと、再評価検査(精密検査と同じ内容)を実施します。ここで、歯槽骨の改善状態を調べるため、デンタルエックス線も5枚ほど撮影します。
ステップ3(レポート)
今までのデータや、リスクのある歯の内容、今後のメンテナンスプランをレポートにして、衛生士が親切丁寧に説明します。患者様へのねぎらいとサポートを約束したこのレポートにより、定期クリーニング(1~3ヶ月ごと)という衛生士との新たな2人3脚がはじまります。
歯周病とは多因子発生の病気であり、バランスの悪い咬み合わせが歯周病の悪化に大きく関与することもあります(増悪因子といいます)。このような予防プログラムを含む歯周病治療、メンテナンスはすべての治療の基本です。